第19章 究極の選択:未来か、この場所か
「……みんな、ありがとう。大好きだよ」
光の濁流の中で、私は最後にそう呟いた。
無惨は消滅し、崩れゆく無限城の中で、すべての柱が生存していることを確認して。
私は、代償としてこの世界から切り離される運命を受け入れた。身体が透き通り、意識が遠のいていく。元の世界の、あの退屈で平和な日常が目の前にちらつく。
(これで、いいんだよね……?)
そう諦めかけた、その時だった。
「――ふざけるな!!」
理を、空間を、そして絶望を切り裂くような叫び声。
消えゆく私の右手を、驚くほど強い力で義勇さんが掴んだ。
「勝手にいなくなるな! 俺が、俺たちが……お前をどれだけ……っ!」
「そうだよ、逃がさない。世界のルールなんて、僕が全部斬り捨ててあげるから」
左手を無一郎くんが力任せに引き寄せる。
二人の瞳には、これまで見たこともないような必死さと、運命に抗う凄まじい意志の炎が宿っていた。
「「戻ってこい、!!!」」
二人の柱の想いが、私の暴走する力を「繋ぎ止める楔」となった。
歪んでいた時空がバキバキと音を立てて修復され、私は元の世界ではなく、血の匂いと勝利の予感に満ちた、愛おしいこの世界の地面へと叩きつけられた。
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