第17章 しのぶさんの「怪しい特訓」
次に目が覚めたのは、再び蝶屋敷。
横には包帯を巻いた義勇さんと無一郎くんが、今度こそおとなしく座っていた。
「……お目覚めですね? 無茶をする子には、少しお灸を据えなければいけませんね」
しのぶさんが、紫色の怪しく揺らめく液体が入った湯呑みを持って現れました。
「これは無惨の精神干渉を防ぐための薬です。
……ただ、副作用で少しだけ『本音』が出やすくなってしまうのですが……さん、飲めますか?」
「本音、ですか?」
「ええ。貴方が誰を一番頼りにしているか、ポロッと言ってしまうかもしれませんねぇ。ふふふ」
しのぶさんの意地悪な微笑みに、隣にいた二人の柱がピクリと反応した。
義勇さんは期待に満ちた(?)瞳で私を見つめ、無一郎くんは「僕が飲ませてあげるよ」と手を伸ばす。
「わ、私、飲みます! 自分で飲みますから!!」
私は覚悟を決め、その怪しい薬を一気に飲み干した。
すると、急に視界がふわふわとしてきて……。
「……ぎゆ、さん……むいちろう、くん……だいしゅき……」
「「!!」」
案の定、しのぶさんの言った通り「本音」が全開に。
私は二人の首に抱きつき、そのまま幸せそうな寝息を立て始めた。
残された二人の柱が、顔を林檎のように赤くして
「今の……聞いたか?」「……空耳じゃないはずだ」
と、任務よりも動揺した顔で固まっているのを、しのぶさんがお腹を抱えて笑いながら見守っていたとか。
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