第15章 義勇さんの「過保護」な雪路
お館様から告げられた衝撃の事実に、私は震える足を叱咤して立ち上がる。
無惨に狙われている――。
その恐怖を塗り替えるように、私の修行と守護はさらに苛烈なものになっていった。
「……行くぞ」
義勇さんの低く落ち着いた声。
お館様の配慮(あるいは柱たちの妥協点)として、今回の任務は義勇さんがメイン、そして無一郎くんが「遊撃」として少し距離を置いて同行することになった。
向かうは雪深い北の村。
膝まで埋まる雪の中、私は必死に義勇さんの背中を追いかける。
「わっ……!」
雪に足を取られ、派手に転びそうになった瞬間。
後ろから飛んできた影が私を抱き止めた。
……無一郎くん。
「、危ないじゃないか。やっぱり僕が抱えていったほうが……」
「……時透、離れろ。彼女の足腰の鍛錬にならない」
「冨岡さん、さっきから厳しすぎ。……、寒くない? これ、使って」
無一郎くんが自分のマフラーを私の首に巻き付けてくれる横で、義勇さんは無言のまま、私の足元にある大きな石や深い雪を、さりげなく足で退けて道を作っていた。
(……義勇さん、不器用だけどずっと私の歩きやすい道を作ってくれてる……)
さらに、あまりの寒さに私が身震いした瞬間。
義勇さんは無言で私の隣に並び、大きな手で私の片手を包み込み、そのまま自分の隊服のポケットへと突っ込んだ。
「……体温を逃がすな。これなら少しは温かいはずだ」
「えっ、あ、義勇さん!? 手、繋いだまま……っ!?」
赤面する私をよそに、義勇さんは前を見据えたまま
「……訓練だ」
と短く一言。
無一郎くんが背後で
「……冨岡さん、ずるい」
と凄い殺気を放っていますが、義勇さんの大きな手の温もりは、私の凍えた心を溶かすのに十分すぎるほどだった。
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