第1章 【プロローグ】邂逅、そして約束
「大丈夫だよ。私の子供たちは、みんな良い子なんだ。
個性は強いが、根は優しい子たちばかりだよ」
「……はい、それは存じております。ですが、それを分かっているからこその判断なのです」
「そうか……。だが、できれば早めに紹介しておきたいんだ。の意思を尊重したいのは山々だが、事態は刻一刻と動いている。こうしている間にも、鬼に怯えている人々がいるかもしれないからね」
(確かに……その通りだ……)
お館様の言葉は正論であり、そして何より重い。
「……おっしゃる通りです。皆様が鬼に対して、言葉にできないほど苛烈な感情を抱いていることも知っています。
……分かりました。お館様が私を信じてくださるのに、私が私情で意見を挟むべきではありませんでした」
「いいんだ。私は、君の正直な気持ちも尊重したい。そんなに堅苦しくならず、思っていることを言ってほしい。……少し急かしすぎたね、私の方こそ謝るよ」
「お館様の仰っていることは、もっともなんです!」
思わず声を張り上げてしまい、自分でも驚いた。
「ふふ、は誠実だね。
……うん。では、少し急な話になるけれど、明日――至急、柱合会議を手配するが、よろしいかな?」
「はい! 前向きに考えて、今夜中に内容を整理しておきます! ……寝床まで用意していただき、本当にありがとうございます」
私ははにかむような笑顔を見せ、深くお辞儀をした。
(この子はきっと、純粋で、誠実……。純粋すぎて、危ういくらいだ)
産屋敷は穏やかな笑みを絶やさなかったが、その心の中では、危うさを秘めた一人の少女、の身を案じていた。
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