第1章 プロローグ
『そ、それは申し訳ないんですが…!』
は躊躇いながらも続けた。
『しかし、お館様から折角ご提案して頂けたことですし、本日だけお邪魔になりたいと思います。』
「うん、そうしなよ。
それと、私は君の事を他の子供達に紹介したいと思っているんだ」
『はい、それは恐れ入ります。
…でも、それはもうちょっと先に延ばしてもらえませんか?』
「ううん、君はきっと子供達に信頼してもらえる自信がないのだろう?」
『さ、流石ですね…』
まるで心を読まれているようでドキッと硬直したアヤ。
お館様は優しい顏のまま続けるように語り続ける。
「大丈夫…。私の子供達はみんな良い子なんだ。
それぞれの個性が合ってみんな共通して優しい子なんだ。」
『…はい、それは存じています。ですが、実はそれも分かっていての判断なのです』
「そう…。でも、できれば早めには子供達と話せるようにしておきたんだ。勿論、あやの意思を第一に尊重したい。
だけど、そうも言ってられない。
こうしている間にももしかしたら鬼に怯えている人がいるのかもしれないからね」
確かに…とアヤは心の中で頷いた。
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