第13章 眠り姫と、不器用な看病
「しのぶさん!が、が……っ!」
蝶屋敷に到着するなり、無一郎はいつになく切羽詰まった声でしのぶを呼び出した。
「あらあら、お帰りなさい。……それで、怪我をしたのはどちらですか?」
しのぶが呆れたように私を見ると、私は無一郎の腕の中で「……恥ずかしいです」
と顔を覆うしかなかった。
私は少し熱がある程度なのに、無一郎くんは私が一歩でも地面を歩くことすら許さない勢いなのです。
「彼女、あの力を出した後すごく熱を出したんだ。あと、ここ。鬼にかすった傷がある。
痕が残ったらどうするの? 早く、一番いい薬を塗ってあげて」
「時透くん、それはただの擦り傷ですよ。
……ふふ、あんなに無関心だった霞柱様が、これほど甲斐甲斐しくお世話をするなんて。さん、貴方は本当に罪な人ですね」
しのぶさんの揶揄うような視線に、私はますます布団に潜り込んだ。
無一郎くんはといえば、薬を塗るしのぶさんの手を
「手つきが荒い」
と睨みつける始末で、蝶屋敷はかつてない妙な緊張感に包まれていました。
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