第13章 眠り姫と、不器用な看病
「……ん……」
重い瞼を開けると、そこは町の宿屋の一室。
体中が熱く、節々が痛む。
不意に、額に冷たい感触を感じて横を向くと、そこには一睡もしていないような隈を作った無一郎くんが座っていました。
「……気がついた? 馬鹿だね、あんなに出鱈目な力を出して」
口では厳しいことを言いながらも、彼は手慣れた様子で私の額のタオルを替え、私の手をぎゅっと握りしめた。
「無一郎くん……怪我は?」
「……そんなの、どうでもいいよ。
君が死ぬかと思って、僕……すごく怖かったんだから」
彼の声が、微かに震えていた。
無一郎くんは私の手を自分の頬に寄せると、壊れ物を扱うような手つきで私の髪を撫でた。
「……これ、お館様から預かってた塗り薬。少し冷たいけど、我慢して」
彼は私が怪我をした腕や脚に、丁寧に薬を塗り込んでくれた。
時折、彼が薬を塗る指先が震え、私の肌に触れるたびに愛おしそうに視線を落とすその姿は、冷徹な柱ではなく、ただの恋する少年のようで――。
「……。もう、僕の目の届かないところで勝手に戦わないで。約束だよ」
暗い部屋の中、彼に握られた手の熱だけが、いつまでも私の心に溶け込んだ。
*