第12章 初実戦、そして暴走
しかし、穏やかな時間は長くは続かなかった。
目的地に到着したその夜。現れたのは、下弦の月にも匹敵する強力な異能を持つ鬼だった。
「、下がって!」
無一郎くんが霞の呼吸で応戦するが、鬼の広範囲攻撃により、私たちの周囲の家屋が崩れ落ちた。
「あはは! 柱を殺せば、あの方に血を分けてもらえる!」
鬼の爪が、私を庇おうとした無一郎くんの肩を深く切り裂いた。
「無一郎くん……!」
彼が膝をつく姿を見た瞬間、私の頭の中で何かが「プツン」と弾けた。
(……やめて。私のために、傷つかないで!!)
ドォォォォォン!!
凄まじい衝撃波が私の体から放たれた。
前回の比ではない、青白い雷光のようなエネルギーが渦を巻き、鬼の動きを完全に封じ込める。
「な、なんだこの力は……体が、動か……ぎゃああああ!」
私の叫びに呼応するように、光の柱が鬼を飲み込み、塵一つ残さず消し飛ばされた。
……けれど、その代償として、私の意識は急激な寒さと共に深い闇へと沈んでいった。
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