第8章 蝶屋敷の診察、そして深まる謎
目が覚めると、そこは清潔な薬の匂いが漂う「蝶屋敷」の病室だった。
「あら、気がつきましたか?」
覗き込んできたのは、蟲柱・胡蝶しのぶさん。
その完璧な笑顔に、私は少しだけ背筋が伸びる思いがします。
「しのぶさん……私は……」
「三人の柱に囲まれての熱血指導、お疲れ様でした。少し知恵熱が出ていたようですが、もう大丈夫ですよ」
しのぶさんはクスクスと、鈴を転がすような声で笑いました。
「……それにしても、驚きました。貴方が運び込まれたとき、廊下で義勇さんと無一郎くんが『誰が付き添うか』で一触即発の空気でしたし、蜜璃さんは泣きながら貴方の手を握って離さないし……。あんなに騒がしい蝶屋敷は初めてです。貴方、毒でも盛りましたか?」
「盛ってないです……!」
私は顔を真っ赤にして布団を被りました。どうやら、知らない間にまた騒動を巻き起こしてしまったみたい。
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