第4章 水柱のスパルタ稽古
「、呼吸を整えろ。無駄な動きが多すぎる。力の流れを意識しろ」
「……はい……っ!」
ふらつく足で一歩踏み出し、渾身の力で木刀を振る。
パシィィィィィィン!!
乾いた音と共に、私の木刀は義勇さんの掲げた木刀に容易く受け止められた。
「……今日はここまでにしよう」
「えっ……あ、ありがとうございました……」
その言葉を聞いた途端、糸が切れたようにその場に崩れ落ちた。
畳の冷たさが、熱を持った体に心地いい。
「……お前は、人見知りと言っていたな」
「……? はい……そうですけど……」
息を切らしながら見上げると、義勇さんは木刀を収め、背を向けたままポツリと呟いた。
「口を動かす余裕があるうちは、まだ追い込めるということだ。明日は今日の倍、振ってもらう」
「……ええっ!? そ、そんな……!」
(やっぱりスパルタだぁ……!)
でも、不思議と嫌な気はしなかった。彼がこれほどまでに厳しく接するのは、私を「守られる対象」ではなく、共に戦う「仲間」として鍛えようとしてくれている証拠だと思えたから。
「」
「は、はい!」
「……。……よくやった」
そう言い残して、彼は一度も振り返ることなく道場を去っていった。
(今……褒めてくれた……?)
不器用すぎる彼の激励に、私は疲れ果てた体で、けれど少しだけ誇らしい気持ちになりながら、はにかんだ。
*