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大事なモノ~みんなの幸せを祈って~【鬼滅の刃】

第4章 水柱のスパルタ稽古


「……構えろ」


義勇さんのその一言で、道場内の空気が一変した。
昨日までの穏やかな生活が嘘のように、張り詰めた緊張感が肌を刺す。

「はいっ!」

私は渡された木刀を握りしめ、教わったばかりの型をなぞる。
けれど、義勇さんの目は一切の妥協を許さなかった。

「腰が高い。重心が浮けば、一瞬の隙で命を落とすぞ」
「くっ……!」

言われた通りに腰を落とすが、慣れない姿勢に太ももが悲鳴を上げる。
プルプルと震える足に鞭打ち、木刀を振り下ろす。

「振りが甘い。もう一度」
「はい!」
「遅い。もう一度」
「はいっ!!」



義勇さんは多くを語らない。
ただ、私の動きが少しでも乱れれば、鋭い指摘が飛んでくる。
言葉の数は少ないが、その分、一言一言が重く、私の未熟さを浮き彫りにしていった。


数時間が経過した頃、私の服は汗でびっしょりと濡れ、視界がチカチカと霞み始めた。
手足は鉛のように重く、木刀を持ち上げることすら困難になっていく。


「……手が止まっている。鬼は待ってくれないぞ」

「はぁ、はぁ……まだ、やれます……!」


酸欠で苦しい胸を叩き、私は再び木刀を構えた。
義勇さんはそんな私を、静かに、けれどどこか冷徹とも取れる青い瞳で見据えている。

(……すごい。これが『柱』の重圧なんだ)

画面越しに見ていた時とは違う。目の前に立つ彼は、ただの「静かな人」ではない。幾多の死線を潜り抜け、その身に「死」と「生」を刻み込んできた本物の剣士なのだ。


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