第3章 わたし
は富岡の鋭い視線に息をのんだ。
「さっきの意気はどこにいったか?」
『いえ!時間を無駄に出来ません!
私は、皆さんを信じてます。
背中を押すような言葉、感謝します。だから、稽古の時は…
師匠と呼ばせて下さい!!!よろしくおねがいしますっ』
が言葉を言い終わるぐらいのタイミングで富岡はを目掛けて木刀を真っすぐに持ち、勢いよく切りかかった。
『っ!』
はギリギリのタイミングで避ける。
「これは序の口だ…
初めてにしては凄い瞬発力だ…
では、これからは徐々にこちらも力量を増やして切りにかかる。
どこまで避けれるか、その調子で木刀を使わずに避けてみろ」
『はい!』
(私自身もビックリ…!
なんだか、戦闘モードになると体が軽くなるうような感覚になったんだよね…?)
は更に前を見据えて声を張った。
『師範!いつでもどうぞっっ!!』
直ぐに体制を切り替えまたもや富岡へ木刀を素早く
「あぁ、いい顔になってきた」
それから、は富岡とただ攻撃を避けるだけの鍛錬をしていたのだが、驚くぐらいの体力と体感感覚に若干、富岡が驚いた顔に表情が変わってきた。
だが、スッと表情を戻す。
富岡も力量を上げてスピードも早くなってきた。
は木刀を持ったままだが、木刀を使わずに避けけれた。
「では、これから本気でもやってみるぞ」
『お願いします!!!』
は、なんとなく感覚が分かってきたころには富岡が本気だすまで傷ひとつ付かずに攻撃を交わせていた。
いつ攻撃がくるかと思って構えてたところ、突然富岡の動きが止まった。
「…」
『どうされましたか?』
フと、何か言いたげな富岡には不思議そうに見つける。
「鬼殺隊が戦うとき、呼吸を意識して戦っているがそれは知っているのか?」
『あ…』
(なるほど、確かにこの世界では基本的な技を作り出す名称。
ここで呼吸の話題を出されるってことは…
生で富岡さんの水の呼吸をみれるチャンスって事なのかな!?)
心で好奇心を膨れ上がってきたは表情が緩み、富岡をキラキラとした、まるでおもちゃを与えられた子供のような表情を作っていたのだ。
「…」
富岡は目が点になり一瞬動きが止まった。
*