第3章 わたし
カーーーン!!!
は富岡が驚いている事を知り目線が富岡の表情へ切り替わる。
すると、富岡は直ぐに表情を変え戦闘モードへ入った。
「は本当にこれが初めての戦闘なのか?」
は勢いを止めずに富岡へ木刀を向けた。
『えぇ、そう、ですっっ!』
は独特な構えで木刀を振ったが、それが義勇には【初心者】ともいえるような構えに見え、怪我をさせることが無いようにと力を少々抜いたところ、受け止めた木刀が思いのほか初めてとは言えないような妙な強さだったので一瞬、体制が崩れそうになった。
「今の一撃は…何割程の力を出したのか、偽りなく教えてくれ。」
はキョトンとした表情になる。
『…今のは、まずは力量を試すために、、半分ぐらいだしたんですが?』
(富岡さんがちょっと驚いているような気がする…弱すぎて期待外れだったのかな?)
「…これは、もしや」
『?』
「…これは、正直俺も驚いている。…これは鍛え甲斐がありそうだ。君は自分が思っているより強い。」
『そうなんですか?!』
「あぁ、間違いない。初心者の力量ではない。
今のは俺たち柱でなきゃ、下の階級の奴らだったら怪我していたレベルだった…」
は信じられないと、目が点になった。
『そ、そんなになんですね…!でも、知識は全くなくて、見様見真似のレベルなので。富岡さんがそこまで仰って下さるなんて、私頑張りますねっ!!』
は満面の笑みで富岡さんへ感謝を述べた。
「いい心意気だ。そのまま技術を磨いてくれ。
では、力はさっきので分かった。
今度はもしもの時の逃れ方を見るとする。
木刀は使っていいが、できるなら木刀を使わずに俺の攻撃を避けてみろ。」
『えぇっ!?木刀を使わないようにって…』
ゴクリ
は義勇の鋭い視線に息をのんだ。
富岡の気迫が一段と増したことを察した。
(怖いけど、落ち着いて…。みんなの為に頑張るっっ)
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