第55章 伊黒との静かな夜 ― 呪縛を解く星空
翌朝、伊黒さんの「守護」によって一晩守られた私の様子を見て、他の柱たちの態度に劇的な変化が訪れた。
「……伊黒から聞いたぜォ。てめェ、そんなに一人で抱え込んでたのか」
実弥さんが、いつになく穏やかな、けれど不器用な手つきで私の頭を一度だけ撫でた。
「無理に笑わなくていい。……お前が苦しむくらいなら、俺は……順番待ちでも何でもしてやる」
義勇さんも、無一郎くんも、伊黒の「寄り添う」という姿勢に心を動かされたようで。
「君を追い詰めていたのは、僕たちだったんだね。ごめん。これからは君の心が追いつくまで、隣で待っているよ」
彼らは強引なアプローチをやめ、私が困っていたらそっとお茶を出し、疲れていたら黙って肩を貸す……そんな「慈しみ」の形へと変化していった。
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