第3章 わたし
「ほう…。時透が言ってたことは本当のようだな。」
『あ、もう話してらっしゃったんですね、そうです。
私はこちらにいるみなさんの顔と名前は概ね把握済みです。
驚くかと思うのですが、私はこの世界で何が起きるのかという事を知っています。
だけど、、
その内容はあまりにも残酷で…
私自身も、現時点ではまだ頭の中で整理をしてから必要に応じて話していこうと思っています。』
富岡は思っていた通りこの色を変えず、でも慎重に聞き出すような言い方で聞いてきた。
「…それはどういう力なのか?は一体何者なんだ?」
『ハハハ…やっぱり信じがたいですよね…
何せ自分の能力も分からない身ですしね』
は力なく空笑いをした。
「そうか、無理に話せとは思っていない。ただ、はっきり言わせてもらうが、俺は稽古で手抜きはしない。
やるからには徹底的にやらせてもらう。文句は受け付けない。
それでも良いのか?」
富岡さんの綺麗な青色の瞳に吸い込まれそうな感覚になりそうになったが、 は直ぐに姿勢を正した。
『はい!もし、弱音を吐くことがあれば叩き直してください!
私も真剣に頑張ります』
負けんと富岡を見つめた。
「…その言葉、忘れるな。俺は二言は無いからな」
『はい、承知しました!』
それから、富岡が軽く自己紹介をし、スムーズに事が進み始めた。
風呂敷を一旦、入り口付近の端っこに置き私は初めての稽古を始めることになった。
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