第44章 焦燥の霧 ― 霞柱のなりふり構わぬ甘え
無一郎くんの、なりふり構わない「泣き落とし」と「独占宣言」。
その危ういほど深い愛に、私の心は激しく揺さぶられた。
炭治郎くんの感謝と責任、そして無一郎くんへの放っておけない愛着。
二人の情熱がぶつかり合い、私の心はさらに深く、逃げ場のない「愛の迷宮」へと誘い込まれていくようで…
しかし、その部屋のすぐ外で。
「……無一郎。泣いて同情を引くとは、随分と姑息な真似をするようになったな」
義勇さんの冷徹な声と、
「てめェ、中身が全部筒抜けなんだよォ! 、そんなガキの涙に騙されるんじゃねェ!」
実弥さんの怒鳴り声が聞こえてくるまで、あと数秒のことでした。
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