第43章 禰豆子の後押しと、炭治郎の決意
「あの雪の日……俺の家族は鬼に襲われた。本来なら、俺は家族を全員失い、禰豆子も自分もどうなっていたか分からない。……でも、あの日、あの子が突然現れて、俺の家族を必死に守ってくれたんだ」
炭治郎の言葉に、無一郎は息を呑む。
「あの子はボロボロになりながら、俺の家族のために、無惨の前に立ち塞がってくれた。そのおかげで、母さんも、弟たちも妹も、みんな生き延びることができたんだ。……あの子がいなければ、今の竈門家はない。俺の幸せは、全部あの子が繋ぎ止めてくれたものなんだ」
炭治郎くんは、胸元に下げた家族と私を繋ぐお守りに触れ、優しく微笑む。
「俺にとってあの子は、恩人であり、希望であり、そして……誰よりも愛しい、一人の女性なんだ。
家族みんなが、あの子を俺の嫁さんにって応援してくれてる。俺は、あの子と穏やかな家庭を築き、あの日あの子が守ってくれた命を、今度は俺が一生をかけて守り抜きたいんだ」
炭治郎くんの語った「運命の改変」。
それは、無一郎くんが抱く執着に負けないほど、深く、重く、そして尊い絆であった。
「……そうだったんだ。君にとっても、彼女は『神様』みたいな存在なんだね」
無一郎くんは少しだけ俯き、それから不敵に微笑む。
「でも、感謝と愛は別だよ。……物語の始まりがどうあれ、今、彼女の未来を一番に考えているのは僕だ。
……炭治郎、君がどれほど彼女を大切に思っていても、僕は譲るつもりはないよ」
「……ああ、分かっている。俺も、全力で彼女を幸せにするために戦うよ」
夕暮れ時。かつてないほど激しく、けれど清々しい火花を散らした二人の少年。
一人は「救われた命」を懸けて。一人は「取り戻した心」を懸けて。 二人の本気が、を巡る物語を、さらに熱く、深く、加速させていくのであった。
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