第5章 月影に背を向けて
「わぁ…気持ち良い!」
坊主を撫でていると毛が色んなところから軽く刺さるような…撫でる度に髪が抵抗してジョリジョリと鳴る。これは、気持ち良い…。
「スガさんみたいだな」
「実の妹ですから〜」
兄もよくこうしていたらしく、もっと早くこの気持ち良さを教えてくれていたら良かったのに、と少し残念に思った。
「坊主にするか…」
「え?と、飛雄くん…?」
静かな呟きが聞こえて、ジョリジョリしたまま真剣な顔をする飛雄くんを見つめた。絶対、飛雄くんはそのサラサラな髪を失くしてはいけないと思うの…本当にしたいのなら反対はしないけど。