第4章 還る月
夏合宿が始まる、焼けるような熱が肌を刺す季節。今年も私たち烏野は、梟谷グループの合宿に参加出来ることになった。
私はお風呂に頭を悩ませていた。飛雄くんが跡が消える前につけ直すから、今も身体中が真っ赤なのだ。蕁麻疹かなんかだと思ってくれないだろうか…。
「おい、脱げよ。暑ぃだろ」
ファスナーを上まで上げて着ている真っ黒なジャージ。それに気付いた飛雄くんが首元に手を伸ばしてくる。腕にもつけられてるから、脱ぐことは出来ない。
「まっ、待ってよ!飛雄くんのせいでどうなってるか知らないの!?」
「飛雄くんのせい!?」
やば…休憩中で近くにいた人たちに聞こえてしまった。田中さんや西谷さん等、うるさい人たちまでいる。
「やめて」と飛雄くんの手を掴むと、片手で両腕を押さえ込まれてしまった。随分、強引ですね!?抵抗も出来ずにファスナーを下ろされていく。
「悪かった。でも、今はさすがに脱げ」
だらだらと垂れる汗は、焦りからなのか暑いからなのか、よくわかっていなかった。観念したように静かにすると、ジャージを脱がされていく。解放された汗ばんだ肌に、体温よりも低い空気が当たり、気持ち良かった。
近くにいた人たちの顔は見れなかった。髪を後ろに流すように頬から耳にかけて撫でられる。汗…飛雄くんの手についてる。