第4章 還る月
「ねぇ、なんで影山としたの?付き合うの?」
横になりながらゴミ箱の中の、くしゃくしゃに丸まった3つのティッシュを見つめていた。「してない」とボーッとしながら答えてると、「これなに?」と身体を撫でられる。
キスマークだらけの私の身体を、今にも引っ掻いて握り潰してぐしゃぐしゃにしそうだった。そんな顔をしていた。
「しかも、僕が触る前から濡れてたんだけど。してたでしょ」
「してないってば…」
「嘘。足りないからもっかいするよ」
ガバッと起き上がって慌てて服を着る。着終わると蛍は笑いながら私を引き寄せて、腕の中に閉じ込める。
泣きそうになってしまった。蛍の優しさに包み込まれる安心感が、私を苦しめていく。飛雄くんに「するな」と言われたのに、私は結局、この温かさに包まれてしまった。
「じゃあ、どこまでしたの?」
「……触ってくれた」
「"くれた"ってなに…触って欲しかったの?」
だんまりを決め込むと、一度ぎゅうと抱き締めて腕を離した。立ち上がると蛍も服を着て、窓を開けた。「先行ってて」と言われて、部屋を出てリビングに向かった。