第3章 影に落ちる
顎を鷲掴みにされ、頬が潰れて唇が前に出る。なんでこんなことをされてるのかわからなくて、「え…え?」と混乱した。影山くんは笑っている。
「舌出せ」
なんで…と思うのに身体は勝手に言うことを聞いて、軽く舌先を空気に触れさせた。それを見られて何故か恥ずかしくて、目を泳がせる。
顎を掴んでいた影山くんの指が舌に触れ、そのまま口内へと侵入した。舌を綺麗な指先で撫で、くちゅくちゅと唾液が絡まる。厭らしい行為に頭の中は白くぼやけ、目の前の影に集中するしかなくなった。
月が影に覆われる真っ暗な夜、蛍以外の手で熱に犯されていく。
頭の下に回っている腕が肩を掴んで仰向けに戻された。そして、唾液で濡れた指がゆっくりと下りていき、下着の中に入る。
「か、影山くん…?」
「飛雄」
静かで低く掠れた声が降ってきて、慌てて「飛雄くん」と呼び直す。それでも、返事をしてくれることはなかった。