第3章 影に落ちる
ご飯を食べてお風呂も入れさせてもらい、ジャージまで洗ってもらった。結局、影山くんの部屋に泊まることになり、大きな服に身を包んでベッドに座る。
「ソファで寝る」とリビングに行こうとする影山くんに声をかけた。言えないはずの言葉なのに、勘違いして欲しくなくて、引き止めてしまう。
「だ…抱いてくれないの?……好きな人に抱かれてばいいって…」
「おまっ……は?なんで俺が抱くんだよ」
え、ここまで言ってもわからないの?ジッと影山くんを見つめて、行かないでと念じる。
「っ……好きな奴って俺?」
やっと気付いてくれた。ゆっくり頷いて、影山くんを見つめ続ける。「好き」と呟いた。言ってしまった。蛍との関係を切れない私が、影山くんに想いを伝えてしまうなんて…。
影山くんは私の目の前に来てしゃがむ。腕に触れて、Tシャツの袖の中に指を入れた。その優しい触れ方に息を呑んで、肩を震わす。
「嬉しいけど……あいつと関係を切らないうちは付き合わないし、セックスもしねぇ」
腕に触れていた手が離れて、「もう寝ろ」とベッドに倒される。リビングに行ってしまうのだと思い、咄嗟にTシャツの裾を掴んだ。影山くんは笑って、布団を掛けながら隣に横になった。