第3章 影に落ちる
部活帰り、蛍に用事があるからと先に帰ってもらい、バレないように影山くんの家の方向へ向かう。もし影山くんのところに行ったと気付かれれば、何を言われるかわからない。
知人がいないことを確認しながら歩いていると、街灯の下で腕を組んで立っている影山くんを見付けた。私の存在に気付いた影山くんは顎をクイッとして歩きだす。大人しくついていった。
「なぁ…なんで俺がこんなことすんだと思う?」
影山くんの家に着き、初めて踏み入れる彼の聖域に息を呑む。影山くんの匂いでいっぱいだ。影山くんに部屋を用意するから泊まってけと言われたが、さすがにそんなことをしたら月の怒りに触れてしまうと思い、丁重に断った。
影山くんの問いかけに首を傾げて、「見たから?」と質問に質問を返した。影山くんはふっと笑い、「そうだけど、そうじゃねぇ」と訳の分からないことを言う。
笑っていたかと思うと目を泳がせて、頬を紅に染め上げる。なんなのだろう…もう期待はしない。
「俺ともしろ……あ、いや…月島のこと好きなのか?」
影山くんの突然の命令に喉を詰まらせる。動揺して、首を振ることしか出来なかった。本当のことを言えば、蛍への気持ちはなんなのかわからいが、影山くんへの気持ちははっきりわかっている。だから…蛍のことを好きかと聞かれたら、違う気がする。
「好きでもねぇのに、する必要ない。無理やりされてんのか?……じゃあ、お前は誰でもいいってことだな」
また首を振れば、床に押し倒されて、制服を無理やり剥ぎ取られていく。嫌だと抵抗しても、男の人の…ましてや、スポーツをしている男の人の力には叶うはずもなかった。