第2章 始まりの糸
入学して間もない放課後、蛍や忠の後について体育館へと向かう。3人の先輩らしき人たちが体育館で話しているのを見かけ、蛍の背中に隠れた。兄の姿を見付けたから。
兄には烏野に入学することを伝えておらず、驚かせたかったのだ。「失礼します」と声をかける蛍の背中から、恐る恐る顔を出す。
「お、来たか。今度入部する1年たちだ」
本来は入部は来週からだが、土曜日の試合で入部することになっている。他の1年と試合をするそうだ。
3人で「よろしくお願いします」と頭を下げた。そして顔を上げると、兄が呆然と立ち尽くしていた。
「……揺?え…うち来るんなら、言えよなぁ!!」
「あははは…びっくりした?お兄ちゃん。私、マネージャーなるね」
兄とは定期的に会っていた。なので、家族の関係が悪いわけではない。
兄に幼馴染の蛍と忠、と説明する。蛍に関しては説明の仕方が間違っているだろうが、正直、訂正するつもりはなかった。無理やり認めさせられた関係をわざわざ言うつもりはない。どうせすぐにわかることだし。
その日、蛍たちは練習をし、私は見学をしていた。マネージャー志望の私は、来週からの入部となる。