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TRUE〜絡み合う糸〜【ハイキュー!!】

第2章 始まりの糸


蛍よりも先に浴室から出ると洗面台で手を洗っている母がいて、石のように固まってしまった。慌てて、「止めるの忘れた!」と浴室に戻り、母がいなくなるのを待った。

例え幼馴染とは言え、恋人でもない男女が一緒にシャワーを浴びているのはおかしいだろう。蛍に喋らないようジェスチャーで合図し、少しの間ジッとしている。

「っ…ふっ……蛍っ!」

「声、大きいよ」

濡れた蛍の腕が腰を抱き、顎を持たれて上を向かせられる。ふに…っと押し付けるように触れた唇は、何度も私の下唇を食み、離れていく。声を潜めて批難したはずが意外と大きかったらしく、扉を見つめて口を塞いだ。

母がいなくなったのを確認して脱衣所に出て、濡れた身体を拭いた。制服を着てリビングに行くと、「蛍くんは?」と聞かれた為、「"今"シャワーを浴びに行った」と嘘をついた。

もし、付き合っていないのにそういう関係になったと言えば、叱られるだろうか。やはり、言わない方がいいだろう。未だに火照る身体と刻みつけられた感覚は、蛍と私の2人だけの秘密。

「ねぇお母さん。なんで蛍の家にいつもいるの?」

男だけの家だから家事等をしに来ているのだろうが、毎日毎日来なくて大丈夫だと思う。蛍はよく家に来るし…ずっと疑問に思っていた。母は世話焼きなんだと思い込んでいた。

「えぇ…蛍くんのお父さんに会えるから?」

少しだけ頬を赤らめる母の態度に気付いてしまった。母はおじさんに恋をしている。でもたぶん、母の片想いだろう。この時は特に深く考えもせず、「そうなんだ」と興味無さげに返した。

自分の母と幼馴染の父親がどんな関係であろうがどうでもよかった。まだ子供で、何もわかっていなかったんだ。だって…蛍と身体を重ねた後で、そこまで考える余裕はなかったのだから。
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