第1章 誘拐
多分、それからこの部屋に連れていかれてから1時間くらいたったと思う。「あのー、、」私が蘭さんに話しかけると蘭さんは私を見てニコッと笑った。「どうしたの?夢子ちゃん?」「いや、その、、そろそろ出たいなって」すると三途さんと蘭さんが顔を見合わせた。そして二人同時に言った。「無理」と「え?」私は思わず聞き返した。すると蘭さんがまた笑顔で答えた。「この部屋はボスがお前といい感じになる為に作った部屋なんだよ~」「え?いい感じ?、、ってもしかして、、」「そう~よく分かったね~」と蘭さんはまた私の頭を撫でた。「はぁー、、あのな~だからここから出るにはお前とボスがいい感じにならないといけないんだよ。俺はお前にボスを取られるのは惜しいけど、組織のボスの命令には逆らえないんでね~」と三途さんは言った。「お前ら、、、、もうすぐ時間だ。ボスがそろそろ帰ってくるぞ。早く準備しろ」「チッ、ボスに見せつけるのもいいかもな~」と三途さんは呟いた。「確かにな」二人はコソコソと話している。ーーーすると急に扉の方からガチャッという音が聞こえてきた。