第1章 この呪いをかけたのは、彼の実の妹だった。
キャロルの兄は何故、あの人をあんな目に遭わせたんだろうね?
私の師匠が教えてくれた話では、正気か疑いたくなる理由だったよ。
「綺麗な女の人だと思って声を掛けたら無視された。腹が立ったので、動けなくしてやった。でも、殺そうとは思わなかった」
両手両足切断しておいて、殺そうとは思わなかっただなて、呆れるよ。
キャロルの兄は五年で牢屋から出てきたよ。
短いと思うだろう?
でも、自警団は五年で牢屋から出したんだ。
牢屋から出てきたキャロルの兄は、まったく反省している様子もなかったらしい。
なんなら、酒に酔った時に武勇伝として、あの事件を話していいたそうだよ。
「まず殴ってやった。そしたら女は『ごめんなさい』って謝ったんだ。『俺の相手してやったら許してやる』って言ったら、素直に服を脱いでくれたぜ。まぁ、許さねぇけどな!ダハハハハッ」
どうやって家に連れ込んだか、被害者に何をしたか。
自慢げに話していた。
コイツは、人の見た目をした何かだ。
キャロルはそう思ったみたいでね。
キャロルは兄に、再生魔法をかけたんだ。