第1章 この呪いをかけたのは、彼の実の妹だった。
不死の男がいるという噂を聞きつけた裏社会の人間が、キャロルの兄の存在を放っておくとは限らない。
さっき、私は「水に沈んでも死ななかった」と言ったね。
いろいろされているんだよ、キャロルの兄は。
そして、それをキャロルは見張っている。
キャロルは死んでいても、未だに兄を許していない。
キャロルの兄が傷つけてしまった家族も、もうこの世にはいないけど、許していないだろう。
きっと、キャロルはその家族の代わりに、兄を苦しめているんだろうね。
自己満足だよ、まったく……