第1章 この呪いをかけたのは、彼の実の妹だった。
君は、キャロルの手記は知っているかい?
キャロルが魔法で書き続けている、日記みたいな物だよ。
自警団の展示施設に置いてある。
興味があるなら、見に行くといい。
私がキャロルの手記を見たときには、キャロルの兄は隣国の森に捨てられたと書いてあった。
実際に行ってみたら、いたよ。
本当に人間だったのか疑わしい形状で、魔物に食われていた。
不死でも、いずれ存在は消されるのだろうか……?
何をもって死とみなすのか、私にはわからないけれどね。
キャロルの兄はどうしたかって?
私は何もしてないよ。
魔物がどこかに連れて行ったんだ。
キャロルの兄がどうなろうが、私はどうでもいいからね。