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俺の名は

第7章 2つの影


路地裏に漂う瘴気は、ただの空気ではなかった。

女の唇にかすかに触れた呪霊の体液は熱を帯びて舌の上に広がると同時に、全身へと染み渡っていく。

それは粘りつくような甘苦さを持ちながら舐めた瞬間に血流へと溶け込み、火照りを加速させる。

「……ん、……っ。」

吐き出そうとしたはずのそれは、気づけば喉を伝って体内に流れ込んでいた。

女は目を見開き、信じられないほど急激に熱が込み上げてくるのを感じる。

頬が紅潮し呼吸が浅くなり、指先まで痺れるような感覚に覆われる。

呪霊はその様子を観察し、楽しげに舌なめずりをした。

呪「俺の体液はな……お前の身体を縛る薬になる。逃げようとしても無駄だ。ほら、もう……効いてきてる。」

耳元で囁かれたその声に、女は首を振る。

しかし、否定の仕草すら震えて頼りない。

背中に走る熱が腰へと集まり理性では拒もうとするのに、奥底から本能が求めてしまう。

「……いや……っ、ちが……。」

必死の抵抗は、すぐに吐息に変わった。

呪霊はわざと唇を重ね、さらに濃く体液を流し込む。

舌を絡められ、零れ落ちる液体が顎を伝う。

その滴すべてが媚薬となって女を支配していく。

呪「ほら、飲め。全部……俺を欲しくなる。」

女は頭を振りながらも、舌の奥が勝手に飲み下す。

流れ込むたびに火照りが強くなり、股間を中心にどうしようもない疼きが広がっていく。

足が震え、壁に縋らなければ立っていられない。

呪霊はそんな変化を逃さず、愉悦に満ちた瞳で見つめる。

呪「身体が正直すぎるな。……もう、疼いて仕方ないだろ。」

わざと弱点を撫でてみせると、女はびくりと大きく震える。
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