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俺の名は

第7章 2つの影


狭い路地裏の闇に閉じ込められた空気は、ますます濃密になっていた。

女の背中を押さえつける壁は冷たいのに、その冷たさすらも火照りを際立たせる。

呪霊は楽しげに女の顎を掴み、瞳を覗き込みながらにやりと笑う。

呪「良い顔になってきたな……。さっきまで必死に抵抗してたくせに。」

その声音には完全に支配する者の余裕と、これからも長く弄び続けるという予告のような愉悦が滲んでいる。

女は言葉を返そうと口を開くが声にならず、ただ小さく吐息がもれるだけ。

呪霊はわざと焦らすように、ゆるやかに触れる指先を動かす。

本能的に望んでいる場所には決して届かせず、ほんのわずか外側をなぞる。
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