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伏黒くんと。【呪術廻戦】

第4章 教師の憂鬱



「ふんふふんふふーん」

 五条は鼻歌まじりにご機嫌で廊下を歩いていた。次の授業は体術。ゴリゴリにしごいてやると予告していたから、教え子たちはジャージに着替えているだろう。

 教室を覗くと誰もいない。先に運動場に行ったのだろうか。
 ふと、椅子の近くの床に制服の上着がずり落ちているのに気がついた。この基本に忠実なデザインなら伏黒のものだ。

「しょーがないなぁ」
 嘆息しながら制服を拾い上げると、何かがはらりと床に落ちた。反射的にそれを拾いあげる。

「…んん!?」
 五条は目隠しを外してそれを凝視すると、珍しく狼狽した。

「マジかよ…」



࿐༅

「硝子!硝子!しょーこ!」
「うるさいな、五条。何か用か?」

 家入は保健の授業を終えた後、医務室で一服していた。

「大変なんだよ!恵がコンドーム持ってた!!」
「それ、私がさっきの授業でみんなに配ったやつだけど」

「は?なんでそんなことしてんのさ!?」
「なんでって、前に業者からもらったサンプル余ってたし」

 大体高校生が避妊具持ってて何が悪い。むしろ相手がいるなら健全だろうと思いながら、家入はいつになく焦る五条を不思議そうに見つめる。

「だって、恵の相手なんか鈴しかいないじゃん!」
「ああ…」

 なんだそっちか、と家入は納得した。
 いつもふわふわしてて天使みたいにかわいい鈴は五条のお気に入り。妹か娘みたいに溺愛している。

「最近、やたら色気があるなと思ってたんだよ…。まさか恵のやつに…」
「何言ってる?オマエだって伏黒ぐらいの時にはとっくに童貞卒業して、学生から窓から補助監督までとっかえひっかえしてたじゃないか」

「黒歴史を掘り返すな!」
「オマエと違って、伏黒は彼女のこと大事にしてるだろ。たぶん」

「いやいや、わかんねぇだろ。あのヒモの息子だぞ?ネクタイで両手縛ったり、オモチャで喘がせてるかもしれないだろ?うわ、うらやましい…」
「…オマエ、そんな性癖してたのか?」


 家入がドン引きしたところで医務室のドアが開いた。
 
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