第6章 第5話 ― 突然のお誘い ―
仕事からの帰り道。
会社の最寄り駅周辺は、帰宅する人たちで溢れ返っていた。
ふとカバンの中が振動する。
スマホを取り出して確認すると、蓮からLINEが来ていた。
『あのさ……〇月〇日にライブがあるんだけど、よかったら来ない?』
ひとまず帰宅してから返信しようと思い、一旦スマホを閉じてまた歩き出す。
帰宅後、私はLINEを開き、彼に返信をした。
『いいよ〜。どこでやるの?』
そう送ると、少しして返信があった。
『〇〇っていうライブハウス。〇〇駅の近くだよ』
『OK!楽しみにしてるね』
『うん。俺も』
そんなやり取りを経て、スマホを閉じた。
あの日。
彼と再会した日、久しぶりに見たステージ上の彼は、学生時代と変わらない輝きを放っていた。
その姿を見てから、また見てみたいし、彼の活躍を見届けたいと思っていた。
だから今回のお誘いはとても嬉しかった。
また彼のステージ上で輝く姿を見られるんだ──。
そんな期待と嬉しさを胸に、私はベッドへと潜り込んだ。