第12章 第11話 ― 心の安らぎ ―
玖仁くんの美容室に行ってから、数日が経った。
仕事からの帰宅中、
鞄の中で、スマホが小さく振動する。
立ち止まって画面を確認すると、
玖仁くんから、次の予約についてのメッセージが届いていた。
『次の予約、〇月〇日に変更しても良いですか?』
『大丈夫です!よろしくお願いします』
そう返信して、
私はまた、歩き出す。
帰宅後、
少し迷ってから、
私は彼に、追加でLINEを送っていた。
『この間、
もっと仲良くなりたいって言ってくださったの、
嬉しかったです!』
しばらくして届いた返信は、
短いものだった。
『それでしたら、よかったです』
たった、それだけの言葉。
けれど、画面を閉じたあとも、
胸の奥に、
ふわりと、あたたかさが残っていた。