第5章 狂愛(マティ、フロ、リチャ)
「お昼寝したい。」
フロ「なぁに。眠たいの?」
リチャ「。寝てていいぞ?」
「ここじゃなくてベッドがいい。」
マティ「...じゃあ一緒に寝よっか。」
望んだ展開になりそうでは心の中でガッツポーズする。
マティアスはを軽々しく姫抱きしベッドへと向かう。
そして寝室に着けばを優しく下ろした。
その傍らに3人も横になった。
がっちりと抱きしめられる。
「おやすみ。3人とも。」
はそう言って目を閉じるフリをした。3人は各々おやすみと口にするとを見守る。
リチャードは昔姉がしてくれたようにをぽんぽんと一定のリズムで叩いてやり、フロリアンは愛しそうにを見て頭を撫でる。マティアスもの顔を見れば頬を優しく撫でた。
フリをしてただけなのになんだか心地よくそのまま眠りについてしまった。
「っ...やば...。」
だいぶ眠ってしまっていたらしくは慌てるも静かに起きる。隣の3人はすやすやと寝息を立てていた。は今がチャンスだと思えばするりと抜け出し、寝室から出た。
「よし...。よし。......よし!」
リビングへと向かい、スマホを手に取った。画面ロック認証も煩わしい。慣れた手つきでやるものの1回手こずった。それほど慌てている証拠だ。
認証を突破し、そして第五人格を起動した。これもまたアップデートだのなんだので時間が食う。
「早くして、早くして...!」
アップデートに時間が食うなら距離を取ろう。そう思いつけばスマホを持って玄関への廊下に繋がる扉のドアノブに手をかけた瞬間だった。
ふわりと大きな手がの手に重なった。
体が硬直する。黒い手袋で誰だか分かった。
マティ「何しているの?」
ほんのりと怒りが滲む声。は正直、フロリアンとリチャードじゃなくて良かったと思った。マティアスなら押し通せると心のどこかで思っていた。強引にドアノブを回そうとするがピクリとも動かない。
マティ「ねぇ...聞いてるんだけど。何してるの?」
は尚も無視をし続けた。