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黒の王と白の剣 幻想水滸伝Ⅱ 夢

第26章 追加if 手紙


でもな、不思議と後悔はしていないんだ。
この国を、そしてお前が生きていく世界を守るために剣を振るえたこと。
最後の瞬間まで、そのために生きられたこと。
それだけで、俺は充分だった。

あの夜、言葉にできなかったことがある。
あの口づけに込めた想いを、今、ここに書く。

……俺は、お前を愛している。

ただの仲間としてでも、剣としてでもない。
俺にとってお前は、生きる意味そのものだった。
どれだけ血にまみれた世界の中でも、お前がいたから前へ進めた。

だから、どうか――生きろ。

泣いてもいい。怒ってもいい。立ち止まってもいい。
それでも、お前はまた歩き出せる人間だって、俺は信じている。

この戦が終わって、空を見上げる日が来たら、ほんの一瞬でも、俺のことを思い出してくれ。
そのとき、お前の肩を撫でる風の中に、きっと俺はいる。

ありがとう、アルネリア。
お前と出会えて、俺は幸せだった。

――シード



「……ばか」

声にならない声が、唇から零れた。
涙が紙の上に落ち、滲んでいく。止めようとしても止まらなかった。

あの夜の唇の温度も、抱きしめてくれた腕の力も、すべてがこの手紙の言葉と一緒に蘇ってくる。
そして胸の奥に、確かに残っている。――彼が生きた証が。
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