第2章 芹沢先輩
「えー。よく、可愛いって言われないの?それこそあの南波くんとか、君のこと可愛いっていいそうだけど。」
「ないです。彼が一番ありえません。」
何故ここで南波くんが出てくる?
今一番考えないようにしている相手を先輩は少し面白そうに話してくる。
「そっか。じゃあ、君たちは本当にただの同期って関係だけなんだね。」
「当たり前じゃないですか!私のことなんて女として見てませんね、彼は。」
先輩は、ふーん。と頬杖付きながら、お酒をゆっくり流し込んだ。
たまに襟から見える鎖骨が、私の視覚を刺激してくる。
「じゃあ、安心して口説けるね。」