第2章 幸か不幸か
表情を変えずに謝るアマイモン。 反省しているのか不明だ
「…で。 この猫はお前が連れて来たのか? アマイモン」
「はい、兄上。 飼えと言われたので」
「そうか。 ……ん? 飼えと"言われた"…?」
「そうです」
「…誰にだ?」
ひくりっと口角を上げるメフィストに、アマイモンはゆっくりと片腕を上げて指差した
「その赤いのにです」
アマイモンの指を差す先には、赤い猫
「………は?」
さすがのメフィストでもアマイモンの言い出した事に呆然とする
「…アマイモン」
「何ですか?」
「何か拾い食いでもしたのか?」
「してません、事実です」
「ならばイカれたか」
「兄上ほどではありません」
「喧嘩なら買うぞ愚弟☆」
ピキリッと額に青筋を浮かべながら笑うメフィスト
「とりあえず兄上、その赤いのは僕のです」
「ほう? 貴様はこの猫をどうするのだ?」
「僕のペットにします」
「お前だとすぐに飽きるだろうに」
「赤いのは料理が出来るのです」
「はぁ…?;」
完全にアマイモンはイカれた、メフィストがそう思った瞬間