第2章 幸か不幸か
「…ただの猫のようですね…、何処からか迷い込んで来たのでしょうか?」
メフィストは赤い猫の後ろ首を優しくつまむように撫でてやると、赤い猫は気持ちよさそうに喉をゴロゴロと鳴らす
(な・ん・て…、可愛らしいのでしょうか!!?)
そんな赤い猫の姿にメフィストはメロメロで釘付けになった
「貴方は野良ですか? …首輪付いてないですから野良でしょうけど…」
メフィストがそう言うと、赤い猫の目つきが変わった
「…おや、癇に触りましたか? すみませんね」
『…にゃあ』
=ずっきゅーーんっ!!=
小さく返事をするように鳴いた赤い猫にメフィストは心うたれた
「(本当になんという可愛らしさッ…!!? もう抱きしめてもふもふしてやりたい気分です…!!!!)…おっと、落ち着くのです私…」
プルプル震える片手をもう片方の手で掴んで止めるメフィスト
「あ、兄上。 その赤いのは僕のです」
「窓を割って入って来るなと何度言えば分かる!!?」
ガシャンッ!!と窓ガラスを割って部屋に入ってきたのはメフィストの弟、アマイモン
「すみません兄上、目の前にあると気づかずに…」
「確認しなさい!!」