第2章 幸か不幸か
正十字学園祓魔塾、祓魔師を育てる学園。 その学園の理事長室にて…
「…誰ですか? 出てきたらどうでしょうか?」
と、低い声で言い放つこの学園の理事長・メフィスト
"何か"の気配を感じるのだが、それが"何なのか"が分からない
(悪魔……のような感じもしますが、また別の感じも…。 …一体何なんでしょうか?)
=モゾッ…=
何かが小さく動いた音が聞こえた
(ソファの方…、ですか)
メフィストはカツカツと足音を立ててソファに近づき、傘を持っている手に力を込めてソファの上を見た
「…ね…こ…?」
ソファの上には、体を丸くしてスヤスヤ眠る赤い猫の姿があった
「一体どうやって入ってきたのでしょうか…」
手に込めていた力を抜いたメフィストは一息つき、赤い猫の隣に腰掛けた
すると
メフィストが座った時の揺れに赤い猫が金色の瞳を開いた
「どうも赤い猫さん?☆ よく眠れましたか?」
ぱちんっとウィンクをして星を飛ばすメフィスト
だが、赤い猫はアクビをして前足でゴシゴシと顔洗いをする