第5章 男が手料理で悪いか
「ちょっと話し込んじゃってね、ねぇルナ君?」
『あぁ…』
「そうなのか? …って、何で隠れてるんだ?」
雪男の背後に隠れるルナに目の前の元気な男、燐は不思議に思う
「兄さん、ルナ君は人見知りなんだよ!」
「そうなのか!!? 悪りぃ悪りぃ! 俺は燐! 奥村燐だ!! この眼鏡の双子の兄なんだ!」
「僕は眼鏡じゃないよ(怒)」
『…こいつが兄? 奥村センセイが弟?』
「燐って呼べよ! 俺もルナって呼んでもいいか?」
様子を伺うようにジッと見てくる燐にルナは警戒するのが馬鹿らしく感じた
『…構わない』
「おっし! 早速料理しようぜルナ!!vV」
袖をまくり、前髪をピンで止めて準備万端の燐
「ルナは何が作りたいんだ? 炒め物か? 蒸し物か? それとも鍋とかお菓子か!!?vV」
『…俺、料理は見た事あるが作った事はねぇ』
ぴしりっと、燐と雪男が固まった
『…?』
「…そう…なのか…?」
『あぁ。 …だが、くっきーという物は作った事はある』
「何だあんじゃねーか! 何か一つでも作った事があるなら初心者じゃねぇな!vV」