第5章 男が手料理で悪いか
「僕は奥村雪男です、よろしくね? ルナ君?」
眼鏡の男、雪男はルナにニッコリと微笑んだ
『…よろしく』
小さく返事を返しながらも、ルナはメフィストの背後に隠れたまま
「ほらルナ? 私は仕事があるので (あぁ!!!! なんて可愛らしいのでしょうか!!? こうもルナが私に頼っているというのに仕事めっ…!!!!)」
『(殺気!!?) あっあぁ…』
ルナはパッとメフィストから離れて、雪男の元に歩み寄る
「では少しの間よろしくお願いしますね☆ 奥村先生」
それだけ言い残してメフィストは一人去って行った
『…』
そんなメフィストの後ろ姿を何やら寂しそうに見つめるルナ…
「大丈夫だよルナ君?」
ポンッと雪男がルナの頭を撫でた
「フェレス郷はちゃんと後で迎えに来てくれるから、ね?」
『…当たり前だ! 来なければ俺から行ってひたすら不幸を招いてやるもんだっ!!』
「あぁ、それは怖いね?」
雪男はくすりっと笑った
『何故笑う?』
「え? いや、フェレス郷に聞いた話よりも元気そうで」
『話?』