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愛、屋烏に及ぶ【鋼錬夢】

第1章 【月と恋は満ちれば欠ける】


私の幸せは四人と一匹の形をしていたけれど、それからは三人と一匹になった。

でも、不幸になったわけじゃない。
もう頭を撫でてくれるひとはいないけれど、私には努力家のお父さんと、かわいい妹と、アレキサンダーがいる。
幸せの形が、少し変わっただけ。

それに、悪いことばかりでもないのだ。
お父さんが国家資格をとったおかげで、生活はずいぶんと楽になった。
ニーナにお菓子を買ってあげられるようになったし、アレキサンダーのご飯もいいお肉を食べさせてあげられている。

本当に、悪いことばかりではないのだ。

「よしっ!」

パチンっと両手で頬を叩いて気合いを入れる。
昔の夢を見たせいで少し気分が落ち込んでしまったけれど、今はまだ朝なのだ。
やらなくちゃいけないことは山ほどある。
まずは溜め込んだ洗濯物を片付けて、ニーナとアレキサンダーに朝ごはんを作らなきゃ。
お父さんはきっと徹夜で研究をしてるだろうから、あとで軽く食べられるものを持って行って。
今日のうちに書庫の整理も終わらせておきたい。

私は私の幸せを続けるために、のんびりとだけど、頑張らなくてはならないのだ。


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