第1章 まさかの出会い
「……え、でも…」
「俺にはね、ちゃんと坂田銀時って名前があんの!その〜たつやくん?ってやつじゃねぇの!」
確かにタツヤの声じゃない。髪色はタツヤは茶髪だったけど、髪色は変わったとしても声は変えられない、よね……
それにしても似てる。
「っ、ごめんなさい……その、私の浮気した元彼とそっくりだったので……つい。」
容疑がはれ安心したのか坂田さんという人はほっと胸を撫で下ろす。
「アンタそのたつやくんってやつに浮気されたんだ?はぁー、こんな美人と付き合ってて浮気するなんて悪いやつだねぇ」
「び、美人じゃないですよ、」
「美人じゃねぇと声かけねぇって、銀さん」
そういうと坂田さんは私の隣に座ってきた。
「あんた、なんか困ってたみたいだけどなにかあったのか?」
「あっ、そうだった、あの、ここはどこですか?」
ついタツヤにそっくりだということで忘れていたけどわたしは道に迷っていたのだ。藁にもすがるおもいで坂田さんに道を聞く。
「あ?ここはかぶき町だぜ」
「歌舞伎町?」
歌舞伎にこんなところあったっけ?