第1章 まさかの出会い
「映画村のセットとかじゃなくて…?東京の歌舞伎町ですか?」
「……あんた大丈夫か?映画村?東京?なんだそりゃ」
冗談で言ってるのかと思いきや銀色の眉をひそめ怪訝な表情を浮かべる坂田さん。
「……えと、ここ、日本ですよね」
「そりゃそうだろ」
「都道府県ってどこですか?」
「なんだそりゃ」
……ダメだ、頭がこんがらがってきた。
「っ、おい、大丈夫か?」
わたしは頭を抱えその場にしゃがみこむと坂田さんが顔をのぞいてきた。
「……なんかワケありって感じだな。お前さん家はどこだ」
「……なんかもう、わからなくなってきました。」
まさか、とは思うけど、
「わたし……この世界の住人じゃ、ないのかも、しれません」
「……まじでか」
よく漫画とか小説、映画とかで見たことがある、トリップというもの。
それは空想上の話かと思ってた。
てか、今でもそう思ってる。
でも、今現実に起こってることは夢じゃなくて、また、夢のようなことが起きている。
もしトリップしたとするならば
わたしはどうやって元の世界に戻ればいいんだろう。
わたしは頭を抱えながら色んなことを考え続けた結果
そのまま意識を飛ばしてしまった。