第5章 ぶっきらぼうだけど
「ほら、ここだ」
「あ、ついた……」
万事屋からスーパーまでは目と鼻の先だった。……なんで道に迷っちゃったんだろう。
「あとは大丈夫か?」
「はい、助かりました、ありがとうございました!」
「気にすんな。じゃあな。」
土方さんはそのまま来た道を戻っていく。その背中を見送っていると、土方さんは急に止まる。
どうしたんだろう?と少し背中を見つめていると、土方さんは私の方に振り向き。
「……はやく帰れるといいな。」
そういって再び歩いていった。
なんだかんだいって……土方さん、第一印象は怖かったけど、優しいのかな……?
私は心をホッコリさせながら食材の買い出しを始めた。
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「たくさんかっちゃった」
沢山の食材たちを抱え、万事屋に戻る。予定より随分遅くなっちゃったな。もしかしたらもう帰ってきてるのかな?
階段をのぼり、戸を開けると既に3人分の靴があった。
「わ、帰ってたんですね、ごめんなさい遅くなっちゃいましt」
そう言うか否かのタイミングで、血相を抱えて走ってきた銀さんに、私は……
「っわ、」
強く抱きしめられた。
「っ、お前……こんな遅くまでどこいってたんだ……っ、」