第5章 ぶっきらぼうだけど
説明し終わると、土方さんの眉間のしわが深くなる。
「……なんとも信じ難い話、だな……それを俺に信じろと?」
「で、ですよね……私も正直まだ信じられないです」
当たり前の反応だ。
「でもアンタが嘘をついてるとは思えない。……おい、お前。」
急に手首を掴まれ、私はびっくりし土方さんの顔を見上げる。
「っは、はい…?」
「お前、時間はあるか?」
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連れてこられたのはスーパー……じゃなくて。
「真選組屯所……?」
隊士が門の前に立っており、その奥には大きめの建物が見える。
どうして私をここに?と思いながら、私はふと気になることを口にした。
「真選組の真ってまこと、って書くんだ……」
「あ?それ以外に何があるんだ」
「あ、いえ……私の世界の新撰組はあたらしい、って書くので……」
私がそう言うと土方さんの目が見開く。
「……あんたの住んでたところにもいたのか…?」
「うーん……同じかどうかはわからないです。でも、その新撰組にも土方さんって方もいました。私が生まれる昔の話ですけど」
土方さんはなんとも不思議だと言わんばかりにぽかんと口を開けていた。