第5章 ぶっきらぼうだけど
土方さんは軽く舌打ちをした後にタバコの煙をふっと吐く。
「……まあいい。帰るついでだ。スーパーまで送ってやる」
「えっ」
「言っておくが帰るついでだ。そこんとこ間違えんなよ」
「あ、ありがとうございます…!」
ぺこりと頭を下げた私を見た後、踵を返して歩いていく土方さん。私はその後をついていく。
「…」
「…」
き、気まずい……
昨日沢山喋ったわけじゃないし、何を話していいかわからない。
というか、話しかけていいんだろうか。昨日からの印象としてはクールというか怖いというか……
「……アンタ、」
「ひゃいっ!」
土方さんに急に話しかけられおもわず変な声がでてしまい恥ずかしさで顔が俯く。
「……別に取って食いやしねぇよ。アンタどこのやつだ?ここらへんのもんじゃねぇよな」
「えー……あー……」
なんて説明したらいいんだろう?話したところで信じてくれるのだろうか?
「?」
素性を答えない私を不審に思ったのか眉間にしわをよせてこちらを見つめる。う……こわい。
「あの……信じて貰えないかも、ですけど……」
わたしは一昨日からの出来事をかいつまんで説明する。