第4章 懐郷病

そんなわたしをよそに銀さんは話し続ける。



「今はまだ手がかりも何もねぇし、どうなるかわかんねぇ。これは事実だ。……だけど約束する、絶対お前を元の世界に戻してやるから。」


銀さんの大きな手が私の頭に乗せられ、優しく撫でられる。


私の涙腺を壊すのに十分な材料だった。



「っう……」


とめどなく涙が溢れ、次第に嗚咽が漏れる。


一瞬銀さんは目を見開き驚いたような表情をするも、すぐに優しく微笑み、そのまま優しく自身の胸へと私の頭を引き寄せた。


「おうおう、泣け泣け。銀さんが胸かしてやる。」


頭の上から聞こえる優しい声にわたしは涙が止まらずそのまま泣き続けた。


「懐郷病、ってしってるか？」


わたしはそのまま泣きながら首を横に振った。


「あれだ、元いた場所から環境が変わって、寂しくなったり不安になることだ。」


頭をポンポンしながら説明してくれたことは、現代で言うところの『ホームシック』だった。


「まあ、今のお前さんの状況だろうな。しばらくは慣れねぇ生活が続くと思うが……まああれだ、なにかあれば俺に相談なりなんなりしなさい。銀さんなんでも受け止めてやっから」