第4章 懐郷病
そんな貴方を後ろから見つめる男…銀時。
「……」
案内をし終わってからの様子がおかしい。どこかぼーっとしており、空を見ていることが多くなった。
昨日の様子をみてて大丈夫だろう、と思っていたが、どうやらそうではないようだ。意を決し貴方へと近づく。
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「風邪ひくぜ、おねーさん」
「あ…銀さん」
わたしは銀さんの声に振り向き、銀さんはそのまま横にきて柵に腰掛ける。
昨日とデジャブ。
「……なあ、」
真剣な顔で銀さんに名前を呼ばれ、普段とのギャップにおもわず胸が高鳴る。
「は、はい…?」
「……わりぃな、その、お前のことははやく帰してやりたいとおもってるんだけどよ」
「?え、えと...…」
「帰りてぇんだろ、元の世界」
「あ……」
「そりゃそーだよな、一人でこんな変な世界に来ちまって。不安だらけにきまってらぁ。」
っ、やばい、泣いちゃう。
20歳過ぎのいい女がこんなところで泣いちゃ、迷惑だ。