第4章 懐郷病
「…まあ、それもそうですね」
と、新八くんもうんうん頷いている。
その後は、かぶき町を歩きつつ、軽く案内をしてもらった。
案内といっても、いつも買い出しをするスーパーの場所、日用品を買う場所、馴染みの場所……などなどだ。
昨日この世界に来てしまったけど、私はここの世界のことはなにもしらない。そもそも、ここは元の世界に繋がっている場所なのか否かすらもわからない。
でも日本にこんな着ぐるみみたいなもの……天人、というものがいたということは歴史上習っていない。
となると、ここは昔の日本ではないってことなのかな。
「おい、」
「ひゃっ、」
考え事をしていて、上の空だったのか銀さんが私の顔を覗き込んでいる。
「ひゃっ、じゃねぇよ。バニラとチョコ、どっちがいいんだって聞いてるんですけど」
「へ?」
いつのまにかソフトクリームを食べる話になっていたみたいだ。ソフトクリーム、あるんだ。
「じ、じゃあチョコで。」
私がそう言うとチョコのソフトクリームを注文してくれ、私の目の前には綺麗に巻かれたソフトクリームが出された。
「俺の奢りだ、くえ。」